シロッコファンとは

縦長の細い板状の羽根が筒状に取り付けられているファンで、多翼ファンとも呼れています。シロッコファンの羽根は、一般的に軸方向に長く羽根が回転方向に向いた前向きで、奥行きもあり、またほとんどの場合水平です。さらに半径方向の長さが短く幅の広い多数の前向きの羽根を36枚〜64枚程度持っています。また、シロッコファンは同一風量・圧力に対して、遠心ファンの中では羽根車径は最小である一方、羽根車の構造上高速回転には適しません。

シロッコファンは、ファンを回転させて、吸い込んだ空気を排気ダクトを通じて外部に排気します。ダクトを通じて排気するため、シロッコファンの設置箇所は比較的自由度が高いです。一方で排気ダクトの設置が不可欠であるため、コストは上昇します。

シロッコファンの構造の種類

シロッコファンには、用途に合わせて片吸込式と両吸込式の二つの吸込方式があります。片吸込式は、羽根車やケーシングの片側から吸い込む構造であり、両吸込式は羽根車の両側から吸い込む構造です。両吸込式は風量が大きくなった場合、効率的に吸い込みます。
また電動方式でも片持式と両持式があります。片持式は羽根車主軸を片側2か所の軸受で支持する構造で、両持式は羽根車の主軸を羽根の両サイドで支える軸受構造です。両持式は片持式に比べて、ケーシング外への主軸の出っ張りが少なくなるため、省スペースであるという利点があります。一方で、両持式は片方の軸受がケーシング内にあるため、高温や腐食性気体の使用には向きません。

圧力特性と動力特性

一般的にシロッコファンの圧力特性は、谷のある山形を持つ曲線を持ちます。圧力曲線における山の頂点から左側はサージング領域にあり、運転が不安定になりやすいため、山の頂点の右側で使うことが望ましいとされています。
動力特性は右肩上がりの直線を示す場合が多いものの、ある程度で動力が増加しなくなるリミットロード性を有しています。想定以上の風量が流れた場合を考慮し、原動機の容量は20〜30%程度余裕をとる必要があります。また、効率は45~60%程度と低く、騒音も大きいです。

静圧、風量について

シロッコファンの静圧はファンの回転数との兼ね合いはあるものの、羽根を多数つけられるため、風量を大きくするのは比較的簡単で、同時に静圧も高められます。シロッコファンの風量や回転数は製品の種類や構造によって異なります。回転数や風量には大まかな目安があるため、用途に合った選択が重要です。

風の方向性について

シロッコファンはプロペラファン(軸流ファン)が中心から吸った風をそのまま後方へ吐き出すのと異なり、風の向きを変えて吸った風を吐き出します。具体的にはシロッコファンはファンの中心(軸方向)から吸い込み、90°曲げた方向へ羽根車が回転する遠心力により側面から放射状(遠心ファンの円の接線方向)に吐き出します。用途によっては吸い込むタイプのファンもあります。

主な使用用途、業界

シロッコファンは比較的小型であるため、スペースを問題とする箇所に適しています。具体的には空気調和用、工場、船舶の換気などがあげられます。その他にも一般空調や恒温槽、恒温室、冷凍倉庫空調、半導体製造工程、環境試験装置、電子部品製造工程、クリーンルーム、塗装ブース排気、自動車関連の機器の性能試験、各種プラントの排気など、数多くの業界で使用されています。

メンテナンスについて

シロッコファンのメンテナンスは、基本的には専門業者にお願いした方がいいでしょう。
シロッコファンのメンテナンスは自分で分解した後、組み立てなければいけません。間違った取り外しや取り付けを行うと、元に戻せなくなる恐れがあります。PCのファンなど、比較的小型のものであれば自分でメンテナンスしやすいですが、工業用の大型ファンは専門知識がないと危険です。したがって、シロッコファンのメンテナンスは専門業者にお任せした方がいいです。

弊社でも、自社製品以外のメンテナンスを実施しています。ファンを長く使うためにも、一度相談してみてください。

ファンの特徴

風量
静圧
使用温度(羽根の接触温度) 950℃MAX
風の方向性 吸気に対して90℃横方向
よく使われる用途 攪拌・循環
よく使われる業界 金属部品の熱処理装置
金属機械のオーブン

メリット

  • 屋外の風の影響度が小さい
  • 比較的静か
  • 屋外と接していない部屋にも設置可能
  • 捕集効果が高い

デメリット

  • 排気ダクトが必要(初期費用がかかる)

こんな場合におすすめ

  • 騒音を気にする環境(工場や住宅地)
  • 熱の放出(エアコンやパソコン、プロジェクターなど)

製作事例